視察報告その2〜地域自治区制度〜

視察に訪れた愛知県新城市でおこなわれている「地域自治区制度」
という仕組みについて説明を受けてきました。

そもそも、新城市では現市長が就任してからずっと市民が政治やまちづくりに参加して欲しい
そのための仕組みを作りたい、という強い想いを持って活動されていました。

新城市も北杜市と同じく、いくつかの町村が合併して新城市が誕生しました。
合併して市が広大となり、それぞれの地域での課題を全て把握する、というのが難しいことから
市内を10のエリアに分けて予算を配分し、地域の課題解決に向けて
住民と行政が手を取り合って活動していこう、という取り組みです。
そうして住民が積極的に参加している、という積み重ねが住民自治基本条例
そして前回紹介した若者議会の取り組みにつながっているのかな、と思います。

しかし、この地域自治区制度、という取り組み。
実は北杜市にも似たような制度があることをご存知でしょうか。
それは、「地域委員会」という仕組みです。
平成16年に7町村(後に小淵沢も合併し8町村へ)が合併し北杜市になりました。

「合併特例法」という法律第22条に以下のような審議会を作る事ができる、という条文があります。

第二十二条  合併関係市町村の協議により、期間を定めて合併市町村に、
合併関係市町村の区域であった区域ごとに、当該合併市町村が処理する
当該区域に係る事務に関し合併市町村の長の諮問に応じて審議し
又は必要と認める事項につき合併市町村の長に意見を述べる審議会
(次項において「地域審議会」という。)を置くことができる。

これを元にして地域委員会、という組織が立ち上がりました。

ですが、視察の中での説明を聞いていると、新城市の取り組みには何というか
仕組み自体に血が通っているというか、形だけのものでなくしっかりと実態の伴った制度に感じました。
それに、関わっている方のモチベーションが非常に高いように感じました。

この地域委員会と同様の仕組みは、他の自治体にも実はいくつかあります。
ですが、地域においてある程度権限を持った人の裁量で予算が使われてしまうケースがあるなど
組織として必要なのか、という賛否両論の意見があることも事実です。
北杜市でも以前、議会の中において地域委員会の是非を問う質疑もされたことがあるようです。

しかし、そうはいってもあるものはせっかくだから良いものにしていく努力をすることも、
地域活性の視点においては必要なことだと僕は思います。
色々と試行錯誤し、それでも効果が出ない、という結果となったら潔くこの制度を廃止すれば良いのです。

昨年の市長&市議会議員選挙のあと、市民の方の意識が少し変化したように感じます。
その流れの中において、今年度の地域委員会の公募で
意欲ある方が何名か委員として参加している、ということも聞いています。
実際に傍聴した際に、しっかりと意見を言っている委員の方も何名かいました。
そうした方々がいることはとても心強く感じます。

仮に結果は伴わなくても(当然結果が伴うように努力することは必要ですが)
そのプロセスにおいて市民の方の政治に対する関心が少しでも高まっていくことが大切なのではないか
と思っています。

そうした市民の方々と手を取り合って、未来の子ども達の為に活動していきたいです。

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