議長の不信任案が賛成多数で可決!!でも、、、

平成30年第4回定例議会が終わりました。
今回の議会も多くの方が傍聴にきてくれました。
市民の方が関心を抱いて足を運んでくれること、毎回とても心強く感じています。
どうも有り難うございます!!

今回の議会の中で、いくつか報告したいことがありますが、
まずは最終日に起こった前代未聞の出来事について書こうと思います。

今回の原因については、同じ会派の池田さんが自身のブログで確かな証拠も載せて書いています。
僕は、この原因から起こった議会での様子について、できるだけ分かりやすく書こうと思います。
是非池田さんのブログと合わせて時間を作ってじっくりと読んでください。

最終日は、市が提出してきた議案についての審議がおこなわれました。
その中のうちの一つ、増富の湯などの施設の指定管理者が相応しいかどうかの採決がおこなわれる予定でした。

指定管理って、何?

という人もいると思うので分かりやすく説明すると、
市が所有している施設を、市が直接管理するのは大変だから、
民間の業者などへ代わりに管理してもらおう、という制度のことです。
この制度のことを「指定管理者制度」といいます。

市の施設は税金で作られたものなので、
しっかりと管理してくれる業者を選ばなければ税金を無駄遣いしていることになります。
そうならないように議会で議決する前に、選定委員会の中でこの業者が
指定管理者として相応しいかどうかのチェックがされます。
で、選定委員会がOKサインを出したら、最終的に議会で審議され、賛成多数で可決されれば
晴れて指定管理業者としてその施設を管理運営できるようになるのです。

でも、市から事前にこの議案について説明があった中において、
この業者はホントに指定管理者として相応しいのか!?
として疑義を唱えた議員がいました。
理由の内容ついては池田さんが詳しく書いてくれています。

その1
https://ameblo.jp/ikeda--blog/entry-12427486931.html

その2
その議員からの指摘を受けて、
市はそのような事実があるのか分からないので調査をするために
一旦議案の採決を保留させてください、と議会に対して相談を持ちかけてきたのです。
このことを「撤回」といいます。

撤回は、議会において賛成多数で可決されないと認められません。
一度出してきた議案を取り下げるのは異例で、
今までの北杜市議会の中でもこうしたことは初めてのケースだったようです。
つまり、それほどに重大なことなのです。

こうした撤回にかかる経緯や理由は全員協議会という、
基本的には傍聴も認められていないクローズな場で説明を受けていました。
なので、市は市民の方にも見えるように、きちんと本会議で説明をする必要があります。
また、僕自身も疑問に感じる点が多々あったので、
本会議の場で市民の方に知ってもらおうという想いで質問をするつもりでした。

でも、最終日の本会議前の議会運営委員会という委員会の中で、
この件については質疑・討論は省略するというような話が出て、
それに対して反対を唱えた議員と賛成をする議員とで委員会は大荒れになったようです。

そもそも、
なぜ質疑・討論を省略する必要があるのか、僕には全く理解のできないことです。

市民の代弁者としての議員。
市民の税金でおこなわれる事業に対して市民にしっかりと情報を伝えることが議員の務めであり、
その場が議会であるべきだと思います。
ましてや、北杜市史上初めてのケースな訳で
なぜ撤回に至ったのかを明確に答える義務が市にはあると思います。

そういったことから質問をしようと思っていた多くの議員がいる中で、
僕と同じ会派の池田さんが、
市がこの撤回の議案の説明を終えた後すぐに中嶋新議長に対して発言を求めました。

しかし、
あろうことか中嶋新議長は発言を求める池田さんを無視して議事の進行をはじめました。

それに対し、池田さんは今度は発言を求める動議を提出しました
その動議に対して僕を含めて何名かの議員から賛成の声が上がり、動議が成立しました。

「動議」は、北杜市議会会議規則の第16条に動議を求める議員の他に
1名以上の賛成者がいたら動議として成立するルールがあります。
また、地方議会運営事典という本の中には
「動議が成立したときは、これを会議の議題としなければならない」という記載があります。
つまり、何も特別なことではなく、しっかりとルールに従って動議が成立した訳です。

にもかかわらず中嶋新議長は無視を決め込み、一向に動議を取り上げようとしません。
そればかりか、
この撤回の議案について動議を無視して採決までおこなってしまったのです。


あ・り・え・な・い!!!(怒)


その後も何度も発言を求めた議員がいるのにも関わらず、議長は発言を全く認めません。
そしてなぜか公明党の内田俊彦議員に対してのみ発言を認め、
それ以外に発言を求める声に対しては一向に発言を認めようとしません。
それどころか「不規則な発言」と注意を促します。
しかも、あろうことか「退場だよ!」という北杜クラブ秋山俊和議員の発言に促されて
池田さんに対して議場からの退場を命じました。

さらには休憩を求める動議も無視し、議場は大混乱。
業を煮やしたともにあゆむ会の野中議員が議長に対する不信任案の動議を提出。
賛成者も多数いました。
これは9月の定例議会に続いて2度目の不信任案の動議です。

にも関わらず、中嶋新議長はこの不信任案の動議についても無視をし続けます。

暫くの混乱ののち、状況を整理するためにようやく休憩となり、議会事務局員との調整をした結果、
不信任案の動議については認められました。

でも
・池田さんの動議は認められず
・撤回の議案は質疑・討論をそのまま省略されて可決
・池田さんは議場から退場
ということになってしまいました。

池田さんが議場から退出し、不信任案についての討論がおこなわれました。
多くの議員から賛成・反対の討論がありました。
その中で、僕も自分の想いを述べました。
不信任案に賛成した議員の討論は以下のとおりです。
どれも当たり前のことを言っていると思います。

※殴り書きのメモから拾い上げて書きました。
正確なものは近日中に放送予定のケーブルテレビ放送や会議録を読んでください。

清水 進
・本会議開会前の議会運営員会において、この撤回の扱いについて、池田議員は提案されている理由に疑義があるとし、提案後質疑・討論の時間を取るようにと再三述べていた
・法的に議会事務局とも質疑討論はできると確認されている
・市長の議案説明後、着席前に疑義の動議を提出し、賛成者もいた
・これを無視するのは会議規則の違反と考える
・進め方の混乱は中嶋新議長にあると考える



志村 清
・撤回について議長判断で質疑・討論を認めないのはおかしい
・新しい事実が野中議員の不信任案の理由の中で紹介された
・市は一切関わっていないという説明と食い違う具体的なメールがあ
・その理由を聞いて十分関わっていたことが明らかになった
・質疑・討論を認めない中では明らかにならなかった
・市は間違いに間違いを重ねるところだった
・動議を認めない進行自体がおかしい
・前回の不信任案提出時と同じ議会運営の不手際があった
・挙手している議員を無視する、動議の声を聞き入れない
・休憩の動議、不信任案、優先される動議すら無視する
・記者の時、山梨県中の議会を見てきたが、こんな運営をしている議長はいない
・動議が出たら粛々と動議について対応する、それができない議長は失格


栗谷 真吾
・法治国家の日本としてあるまじき信じられない大暴挙
・議案の撤回という未だかつてない大変重要なことが起きた
・これについて質疑・討論を認めないというのはあり得ないこと
・全員協議会の場は基本的には傍聴が認められないし、オープンな場ではない
・なので、本会議の場で市民に知ってもらうために質問をしようと考えていた
・進行の中で挙手して発言を求めていたが、特定の議員にしか発言を許可しない
・さらに、発言を求めた何名かの議員は無視し続けて採決をする、本当にあり得ない
・撤回の議案について書かれた用紙は議場に来て初めて見たもの
・当然資料を見た中で気になる点があったので質問をしようと思っていた
・にも関わらず、質問ができないのは信じられない
・中嶋新議長のもとでは当たり前のことが当たり前にできない
・ルールに則らない議会の中で進行はできない

相吉 正一
・再三に渡り池田議員が中嶋新議長に対して発言を求めたにも関わらず認められなかった
・これは民主主義のルールに反している
・こんな事態は未だかつてない
・前に進まない原因は中嶋新議長の議場整理権がうまくなかったから

岡野 淳
・市が指定管理を業者に委ねたいということで議案として提出されたもの
・撤回については、関東農政局の事業に関して説明が食い違っていること、その結果信頼関係を損なったとの説明
・一体何がどう食い違っているのか分からない、このことが市民には伝わっていない
・まして、そのことが信頼関係を損なうものなのか、もっと分からない
・過去の指定管理業者の決定において、信頼関係を損なうだろうと思う事案はいくつもあった
・市がやりたいと思う業者選定について撤回をする、それに対する説明もない
・当然本会議の場で聞きたいことは出てくる
・そのチャンスを中嶋新議長は作ろうとしない、それだけで十分議長としての資格を疑う
・池田議員が挙手をして動議を出す、これを認めない、その理由の説明もまったくない

清水 敏行
・前回の不信任には反対の立場で討論した
・撤回は受け入れようという想いだった
・池田議員の動議は取り上げてルールに則り粛々とおこうべきだった
・何よりも優先して考えるべきは冒頭の動議の取り扱いだったが、それがなされなかった

討論が終わり、採決となった段階で池田議員は入室を認められて採決となり、結果は賛成多数で不信任案の動議は可決となりました。


中嶋新議長の不信任案の動議に賛成
栗谷 真吾
池田 恭務
清水 敏行
志村 清
齊藤 功文
原 堅志
相吉 正一
岡野 淳
坂本 靜
清水 進
野中 真理子
合計 11人

中嶋新議長の不信任案の動議に反対
秋山 真一
進藤 正文
藤原 尚
井出 一司
福井 俊克
加藤 紀雄
千野 秀一
内田 俊彦
秋山 俊和
合計 9人
(敬称略)


この結果は大変重く、責任をきちんととる必要があると僕は思います。
でも、中嶋新議長は議長職を辞職することなく議長に居座り続けました。
そして、今現在も議長として在籍してるのです。

どうしてこのようなことが起こるのか。
それは、不信任案を可決したからといって議長職を辞めなければいけない、
というルールになっていないからです。

議長の辞職勧告決議・不信任決議などは、
「事実上、議会が議決することは差し支えないが、法的には効果がなく、任期を途中で失わせることとはならない」
(松本英昭「新版・逐条地方自治法(第7次改訂版)」学陽書房))
とされているのです。

なんなんだ、このルールは。
おかしすぎるだろ、これ。

これは北杜市のルールではなく、全国の自治体にも適用されています。
なので、残念でなりませんがそうしたルールは守らなければいけないのです。
ただ、何度もいいますが
不信任案が可決された、ということを中嶋議長は重く受け止めなければいけないと、強く強く感じます。

でも、中嶋新議長が議長席に戻って最初に発言したことは
「議事進行については、議員各位ならびに執行当局には大変お時間を頂き誠に申し訳ありませんでした」

たったこれだけ。
開いた口が塞がりません。。。

こんなありえない采配をする背景には一体何があるのでしょうか。
単に中嶋新議長個人の判断なのか。
それとも、裏で何かしらの力が働いているのでしょうか。

あまりネガティブなことを書きたくはないのですが、
今回ばかりはきちんと多くの市民の方に北杜市議会の現状を知って貰いたいと思い、
長文となりましたがブログを書きました。
是非情報拡散のご協力をお願いします。

今回の件で勇ましい姿を見せてくれた無所属の会代表の池田さん。
そのブレない姿勢が本当に格好良かったです。

他の件については、また次回以降に。


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