3月定例議会の報告 その2

3月の定例議会では、来年度予算の他にもいくつかの請願や意見書案が議案として出され、議員間での意見が割れました。
その議案となった請願や意見書案は以下のとおりです。
(各議案に対しての、僕の賛成か反対かの意見も記載しておきます)

1 北杜市議会本会議のインターネット中継を早急に実施することを求める請願 → 賛成
2 中部横断自動車道(長坂~八千穂)の早期実現を求める請願 → 反対
3 地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書案 → 反対
4 原発事故避難者の生活困窮者支援並びに住宅支援の検討·実施を求める意見書案 → 反対
5 原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書提出に関する請願 → 賛成




1 北杜市議会本会議のインターネット中継を早急に実施することを求める請願 → 賛成

結果は全会一致(議員全員の賛成)で採択されました。
ただし、趣旨採択という特殊なかたちでの採択になりました。
趣旨採択とは、請願の内容はそのとおりであるが、その実現性について難しい場合、趣旨には賛成であるという意味の議決をいいます。
もともと、過去にもインターネット中継を求める請願が北杜市議会で採択されたのですが、残念ながら現在もインターネットでの中継は実施されていません。
僕は、インターネットでの議会中継はおこなったほうが良いと思っています。
現代はネット社会。パソコンやスマートフォンで議会の様子をいつでもどこでも見ることができたら、市民の皆さんの議会への関心が今以上に高まるのかな、と思っています。
一歩ずつ実現に向けて議員同士でも話をつめていければ、と考えています。


2 中部横断自動車道(長坂~八千穂)の早期実現を求める請願 → 反対

結果は賛成多数で採択され、その後の意見書案も採択されました。
高速道路は命をつなぐ道、災害時においてその機能が発揮されるケースも確かにあるかと思います。また、ストロー現象といって交通網が整備されると地域経済が衰退する場合もある、という情報も耳にします。
建設をする場合のメリット、デメリットがある中で、そうした議論がまだ十分になされていない、とする声が市民の方から僕のもとに届いています。
そうした状況の中で物事が進んでしまうと結果として地域内での分断に繋がりかねないのかな、と考えています。まだ慎重な議論が必要だと思い、僕は反対をしました。
ただ、もっと僕自身も学ぶ必要があると感じています。


3 地方議会議員の厚生年金への加入を求める意見書案 → 反対

結果は賛成多数で採択されました。

※この意見書が提出された背景が記載された記事です
この意見書への判断は、正直にいって悩みました。
今後、ますます少子高齢化社会を進む日本で、社会保障費が膨らむことはあきらかであり、その財源の確保をどうするのか、などの課題もある中でこうした内容の意見書は今の時点では時代の流れと逆行するものなのかな、と考えます。
一方で、これから先、若い世代の方々に政治の世界に飛び込んでいって欲しいという想いがあるので、少しでも手を上げる為のハードルは下げる必要はあるのかな、と思います。ただ、厚生年金に加入できるからといって議員を志す人が増えるか、というとそれは限定的なのかな、という気がします。
最低限の基盤(この基盤の基準が人それぞれなのでとても難しい判断になるのだと思いますが)はありつつも、やっぱり議員という仕事そのものにやりがいや魅力を感じるものにしていかないと、若い世代から政治の世界で地域をより良くしていきたい、と思う人は増えていかないのかなあ、と思います。僕は、そこへの働きかけに力を注いでいきたいです。



4 原発事故避難者の生活困窮者支援並びに住宅支援の検討·実施を求める意見書案 → 反対
5 原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書提出に関する請願 → 賛成

結果は両方の議案とも賛成多数で採択されました。
この意見書案と請願は、タイトルは凄く似ています。
ですが内容は異なり、
『4 原発事故避難者の生活困窮者支援並びに住宅支援の検討·実施を求める意見書案』では
・原発事故避難者の生活困窮者の支援のため、調査検討及び支援を実施すること
・各自治体の公営住宅入居の緩和、及び優先的に入居できるよう配慮すること
を求める意見書案で、

『5 原発事故避難者への住宅支援の継続を求める意見書提出に関する請願』では
・原発事故による被災者向けの公営住宅や民間賃貸住宅などに引き続き入居を求める方々への無償支援の延長を行うこと
・各自治体の公営住宅の空き家募集の際には優先的入居制度を拡大するなど、安心してくらせる住まいの確保を支援すること
・原発事故に依る被災者が避難を選択する権利を有することを認め、そのため国の責任を定めた、「原発事故子ども・被災者支援法」を遵守し、同法に基づく抜本的・継続的な住宅支援制度を確立すること
を求める請願となっています。

なぜ似たような内容のものが議案として出てきたのか。
その流れは以下の通りです。
まず市民の方から『5 自主避難者の住宅支援打ち切りを求める意見書提出に関する請願』の紹介議員になって欲しい、という相談があり、僕はそれを引き受けました。
そして、今回の定例議会で議案として提出し、まずは本会議ではなく経済環境常任委員会で審議がされました。

※議会の流れはこの投稿を読んで下さい

経済環境常任委員会ではこの請願は不採択となりました。
その際、「この請願項目には賛成できないのだけど、完全に反対する内容でもない」という意見もあり、僕とは別の議員さんが請願項目の内容を変えて意見書案として発議をされたのです。

確かに困っている方がいるのは事実で、『4 原発事故避難者の生活困窮者支援並びに住宅支援の検討·実施を求める意見書案』に対して反対をする、というのも変な気もします。しかし、僕はもともと市民の方から相談を受けていた請願内容で意見書を提出して欲しい、と言われていたし僕自身もそう思ったことから、これも悩んだのですが結果として反対をしました。

そして、僕が紹介議員となった『5 自主避難者の住宅支援打ち切りを求める意見書提出に関する請願』の結果は賛成多数で採択され(経済環境常任委員会では不採択だったので逆転した形になります)、その後の意見書案も賛成多数で採択されました。
今回、請願を提出した中で他の議員さんからかなり厳しい質問もあり、結果として回答できないこともあり、議会の進行においてかなりの迷惑をかけてしまいました。その点はとても申し訳なく思っています。

委員会の審議の中でも感じたのですが、請願を紹介議員として引き受けるのには相当の覚悟と準備が必要なのだな、と感じました。
今回、沢山のことを学ぶきっかけとなりました。




話は少し変わり。
今回の議会で意見書を国や福島県に提出した訳ですが、結果として住宅の無償支援継続は叶いませんでした。今年度と来年度に段階的に経済的支援が縮小されていきます。
その対象となってしまった方々のことを思うと、とても心苦しい気持ちです。


また、この意見書と関連する話なのですが、3月末に北杜市内で東日本大震災による原発事故の影響を受けている福島県と、その近隣県に住む方への保養を目的としたキャンプを開催し、そのスタッフとしてお手伝いをしてきました。
放射能から少しでも被爆を減らし、心と身体をリフレッシュして欲しい、という想いで春と夏の年2回開催しているのですが、今回は33人の方々がキャンプに参加しました。
原発事故からまだ6年しか経っていない中で、今でも放射能の影響を恐れて避難を余儀なくされている方がいたり、また様々な事情があって福島から避難できない方もいます。
募集を開始してすぐに申し込みの予約が入るなど、報道では中々報じられませんが放射能での被害を受けている方は沢山いるのだという状況に驚きを隠せません。

そうした状況の中、参加者の子ども達は無邪気に北杜市の大自然を満喫していました。
その笑顔を見ていると、彼らが大人になったときに、少しでも放射能の影響で息苦しい思いはさせたくないな、と強く感じます。

実は、4月の後半にまた別の団体で保養キャンプを行なう予定になっています。
こちらも40名近くの参加者が北杜市に来て保養をおこないます。
※スタッフとして手伝ってくれる方、絶賛大募集中です!


「収束」とは程遠い「現状」をしっかりと見つめ、自分にできる事をこれからも精一杯取り組んでいきたいです。


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