4年間の振り返り 肆

過日のブログで、公約(マニフェスト)のことについてを書きました。

https://enza100000.blogspot.com/2020/10/4_24.html


今回は、その中の3つ目のテーマ

豊かな自然を後世にのこす」

について、自分自身の想いを書きたいと思います。


僕は、掲げた5つのアクション以外にも「市政の見える化」についても目標の一つに挙げていました。

情報を発信していくことで、市民の方々に政治に関心を持ってもらいたい、としたことが理由でした。

そうしたことから、ブログの他にENZAニュースレター」という会報を定期的に発行していました。

https://enza100000.blogspot.com/2017/05/enzavol1.html


しかし、この情報発信も任期後半から途切れがちになってしまいました・・・

その原因は、市内で乱立する太陽光パネル設置に歯止めをかける条例において、

多くの困っている市民や自然に対して解決する内容で制定ができなかったことです。


議員を志した大きな理由の一つに、市内に乱立する太陽光パネルをなんとかしたい!」

とした想いがありました。

景観が阻害されることもそうですが、それ以上に森やその土地の生態系を壊し、クリーンなエネルギーを謳った

「売電」が目的の"ビジネス"太陽光発電事業が無秩序に建てられていることに、僕はとても胸を痛めています。


当時中学生だった友達に

「このままじゃ"北杜市"が太陽光パネルになっちゃう」

と言われ、脳天をハンマーで殴られたような衝撃を喰らいました。

それほど市内では太陽光パネルの建設が乱立しています。


そのような状況に対し、ある種の危機感を抱いていた議員も少なからずいたことから、

今期の中で何とか乱立に歯止めをかけなければ、ということで有志の議員が集まって、

全国的にも珍しい議員発議での条例制定に向けたアクションがおこなわれることになりました。

弁護士の先生も交えての勉強会を重ねる中で、条例の内容が少しずつ固まってきたのですが・・・

結果としてその条例案について、賛成できない内容(条例の内容では乱立を止めることには繋がらない)

と判断したことから、僕は有志のメンバーから外れる決断をしました。


2017年の6月議会において、この条例案が議会に提出され、特別委員会が設置されました。

3日にわたる議論がおこなわれましたが、

結果としてこの条例案は議会の中で制定されることはありませんでした。

(審議未了で廃案となりました)

https://enza100000.blogspot.com/2017/07/6.html


しかし、そうした流れの中で執行部でもようやく重たい腰を上げて条例制定に向けた動きが出てきました。

条例制定に向けた太陽光等再生可能エネルギー発電設備に関する検討委員会という委員会が立ち上がり、

長年にわたり太陽光パネル問題に尽力されてきた市民の方々、実際に発電事業をおこなっている事業者、

法的な観点から意見を述べる弁護士なども委員に名を連ね、侃々諤々の議論がおこなわれました。

僕もその委員会のメンバーに議員という立場で参加して自分なりの意見は伝えました

(会派の代表として合計6名の議員が参加しました。

僕は当時ともにあゆむ会の会派に所属していたので、その会派の代表として参加しました)


10回に渡る議論を経て、市民の方々の想いが込もり、メンバー全員から異論なく素晴らしい提言が完成し、

執行部へとバトンタッチをしました。これが2018年の10月です。

https://enza100000.blogspot.com/2018/10/blog-post.html


そこから8ヶ月余り(正直に言って遅すぎると思います)の期間を経て、

2019年の6月議会において最終的に執行部からの条例案が議会に提出されました。

しかし、提案されてきた条例案は提言の内容からは程遠いもので、

この内容では乱立の歯止めに繋がらないと懸念した議員からは多くの疑義が投げかけられました。

また、何名かの議員はいくつかの修正案を提出したのですが、

それらはいわゆる数の原理でことごとく反対多数で否決されてしまいました。

(僕自身も絶対に譲れない点として、

法的にはリスクのない建設時の強度計算書提出を義務付ける修正案を提出しました)


結果として、パネル設置時の高さ制限変更の修正案"のみ"が賛成多数で可決され、

現在もなお、その条例内容で運用がおこなわれています。


内容の弱い条例だったことから、未だに太陽光パネル建設の歯止めには至っていない現状があります。

渡辺市長はこの条例をアップデートしていく気は全くないご様子で、本当に悲しくなってしまいます。


以上のように、どんなに正論を述べても、どんなに理屈にかなっていても、どんなに想いを伝えても、

結局は「多数決という名の民主主義」によって議会では意思決定が下されていく

という、ある意味で非情な世界があり、自分一人ではどうすることもできない現実に直面し、

自身の力不足を改めて痛感しました。


さらに、プライベートにおいてとてもショッキングな出来事が起きてしまいました。

加えて、一生懸命頑張っていた農家さんたちにとっての生命線の一つであった、

道の駅はくしゅうでの騒動においても殆どなにもサポートができない状況で、

そうした様々な出来事が自分の中で整理できなくなり、前向きな気持ちが持てなくなってしまいました。

https://enza100000.blogspot.com/2019/08/blog-post.html


「一体誰のため、一体何のために議員をやっているんだろう」


という想いから、深い闇に陥ってしまいました。

ブログを書こうと思っても、胸をぎゅっと締め付けるような痛みが出て書けず、

いつしかニュースレターも書けなくなってしまいました・・・

 

いつだったか、ある市民の方に「公人は弱音を吐くものではない」としたご意見を頂き、

なかなかこの想いを表に出して伝えることができない日々。

こうした状況の中で、悶々とした想いをずっと抱えていました。


改めて自分には覚悟が足りなかったんだ、ということを振り返る中で感じています。



続く。




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