9月定例議会が終わりました!多くの議案で意見が割れました。

一昨日、9月定例議会が終わりました。
沢山の方が傍聴にいらしてくれました。本当に感謝!!

今回は決算議会ということで、平成29年度の事業がしっかりと執行されていたか、
というチェックをする議会でした。
こちらについてはまた改めて報告します。

今回の報告で伝えたいことは、議会最終日に起こった出来事についてです。
3月に立ち上がった藤原尚議員(北杜クラブ)の資格審査特別委員会。
ご存知の方も多いかと思いますが、5回にわたる委員会での審議を経て、
数々の書類が提出されたうえで、委員会での結果は藤原尚議員に居住実態がある
というものでした。

その結果に納得のいかなかった
【提出者】
池田恭務議員(無会派)
【賛成者】
志村清議員(日本共産党)
岡野淳議員(ともにあゆむ会)
野中真理子議員(ともにあゆむ会)
坂本靜議員(明政クラブ)
栗谷真吾(ともにあゆむ会) の6人が
6月定例議会の中で
委員会での審査が不十分だとして再度審議をおこなうよう再付託の動議を提出しました。
その過程において議場は大混乱し、結果として流会、という結果になったわけです。

6月定例議会では、この件についての採決がおこなわれずに廃案となったことから、9月定例議会では
再度委員会を立ち上げて審査し直すように、という動議を岡野淳議員が提出しました。
この件について、9月定例議会最終日の一昨日、審議がおこなわれました。

今回の件でのポイントは以下のとおりです。
・委員会のメンバーを誰にするのか?
・委員会の正副委員長を誰にするのか?
・この委員会に100条調査権を付与するのか?

一つずつ検証してみましょう。


委員会のメンバーを誰にするのか?

今回、この人選については事前に多くの議論がおこなわれていました。
その議論とは、メンバーを20人にするか、それとも21人にするかです。

「ん?たった1人のためになんでそんなに揉めているの?」

と不思議に思う人もいるかと思うので、できるだけ分かりやすく説明します。
現在、北杜市議会の議員は全員で22人。
本来であれば議員全員の22人でおこなえば良いじゃん、と思う人もいるかもしれませんが、
今回は藤原尚議員の居住実態を審査する委員会なので、本人を委員会のメンバーに入れるのはちょっとおかしいですよね。
それに関しては、法律にきちんとルールが定められていて、
藤原尚議員は委員会のメンバーになることはできません。(これを除斥と言います)

では残りの1人は誰?

となる訳ですが、その1人は今回の委員会を立ち上げるように要求した岡野淳議員です。

今回、本会議における審議過程の中(この件の採決後の発言において)で、
委員会のメンバーを20人にするべきだと主張されている加藤紀雄議員(ほくと未来)が発言されていたことは
・議員の資格を剥奪するかもしれない大変重要な問題である
・慎重に慎重を期して審議をする必要がある
・よって、絶対的に中立公正に議論がおこなわれる必要がある
・加えて議会運営委員会の意見を尊重すべきだ
※正確には後日作成される議事録を参照してください
などといった理由で、疑義を抱いている岡野淳議員は委員会のメンバーから外すべきだ、と主張されています。

委員会のメンバーをどうするのか?
といったことに関しては、藤原尚議員は北杜市に居住実態がない、と思っている有志の議員が事前に何度も集まり、度重なる議論をおこなっていました。
そこで出した結論は、岡野淳議員は除斥対象ではない、というものでした。
理由はいくつかあります。

一つ目は、岡野淳議員を除斥とするルールは、どこを探しても見当たらないからです。
関連する法律を見ても、要求した議員をメンバーに入れちゃダメ!というものは存在しません。
その証拠に、全国では藤原尚議員と同じように選挙区に居住実態がないのではないか、
ということで委員会を立ち上げて実態の調査をおこなっているケースが数多くあります。
(それも凄いよな、、、)
で、その委員会を立ち上げるように要求した議員が委員会のメンバーに加わっている、といった例がいくつもあるのです。
埼玉県草加市、熊本県熊本市、福岡県遠賀町、神奈川県葉山町、、、
ざっと調べただけでもこれだけの自治体で、要求した議員が委員会のメンバーに加わっています。
以上のことから、法律上のルールではなんの問題もありません。

二つ目は、北杜市でも平成23年におこなわれた政治倫理審査委員会では、要求議員が委員会のメンバーに加わっている実績があるからです。
この政治倫理審査委員会での審議の中で、当時の北杜クラブの議員がこう発言しています。
「(略)・・・また請求した人たちは、そこに疑義があるから請求しているわけです。そこを調べたい。議会として調べてもらいたい。(略)・・・ですから、その申請した人たちがここに入るべきでないということは、これはまったく当たらないということになります。それをもとに議長が選任しているわけでございます。・・・(略)」

それに加え、現議員の秋山俊和議員(北杜クラブ)がこう発言しています。
(当時は議長でした)
(略)・・・私の見解を申し上げますと、まず地方自治法第117条の議長および議員の除斥という項がございます。(略)・・・私はこの117条の規定に基づいて、まず明政クラブさんの6名は除斥対象でございます。それから審査会に請求された8名は除斥対象ではございません。この自治法に抵触してございません。・・・(略)

更に、同じく現議員の内田俊彦議員(公明党)がこのように発言しています。
「ただいま、議長から117条が申されて、このほかの会議においても117条を適用して、私どもも会議を進めております。それはなんら問題ないと思っています。・・・(略)」

そうした経緯があり、政治倫理審査委員会では要求した議員は委員会のメンバーに加わっています。
と、いうことは今回も岡野淳議員がメンバーから外れるという理由にはなりません。

三つ目は、議会運営委員会は最終決定の場ではなく、あくまでも本会議での採決が最終決定の場であるということです。
議会運営委員会とは、簡単に言うと議会をスムーズに進行するため、事前に議会スケジュールや議案の取り扱いなどを協議する場のことです。
議会運営委員会での決定事項は議会において最終決定される、というルールは存在しません。
確かに、議会運営委員会での意思は尊重されるべき、というのは理解できますが、
議会運営委員会での決定事項は決して絶対的なものではありません。
どうしても納得のいかない決定事項であれば、本会議でそれぞれの議員が異を唱えることができます。
それは、議員としての正当な権利なのです。


・・・以上の状況を判断したうえで、みなさんだったらどう結論を出しますか?


本会議では、結果として採決がおこなわれ、
賛成10人
【北杜クラブ】
秋山俊和
千野秀一
井出一司
秋山真一

【公明党】
内田俊彦
進藤正文

【ほくと未来】
加藤紀雄
福井俊一

【無会派】
保坂多枝子
清水敏行

反対10人
【ともにあゆむ会】
原堅志
野中真理子
岡野淳
齊藤功文
栗谷真吾

【明政クラブ】
相吉正一
坂本靜

【日本共産党】
清水進
志村清

【無会派】
池田恭務

※敬称略

同数となりました。
賛否が同数の場合は、議長である中嶋新議員(北杜クラブ)が議長採決といって最終的な判断を下します。

その結果は可決」。
つまり、岡野淳議員は委員会のメンバーから外れることになり
委員会のメンバーは20人になりました。
法律上の問題は何もない中で、北杜市の前例をも覆した結果になりました。


残りの2つのポイント、そして議場が荒れて提出された中嶋新議長への不信任動議については追って報告します。


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